音声ファイルを作成してくださったあきひとさんによる、テキスト版も完成しました。またまた、ありがたく紹介させていただくことにします。あきひとさん、ありがとうございました。
参考
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集会の流れ
司会:萩生田光一氏(衆院自民)
三好 達氏(元最高裁長官)
平沼赳夫氏(衆院無所属)
渡辺昇一氏(上智大学名誉教授)
工藤美代子氏(ノンフィクション作家)
島村宜伸(衆院自民)
中井洽(衆院民主)
赤池誠章(衆院自民)小泉チルドレン
松原仁(衆院民主)
戸井田徹(衆院自民)
下村博文(衆院自民)
一般参加者:1200名以上
国会議員参加者:107名
皇室典範の拙速な改定に反対する署名
衆院:122人、参院:51人
自民:135人、民主:24人、国民:5人、無所属:10人
登壇された議員
衆院
平沼赳夫(無所属)、下村博文(自民)、戸井田徹(自民)、江藤拓(無所属)、萩生田光一(自民)、中山泰秀(自民)、赤池誠章(自民)、松原仁(民主)、西村眞吾(無所属)、木原稔(自民)、鍵田忠兵衛(自民)、古川禎久(無所属)、松本洋平、稲田朋美(自民)、神風英男(民主)、小川友一(自民)、北村茂男(自民)、木原誠二(自民)、中井洽(民主)、鷲尾英一郎、牧義夫(民主)、亀井久興(国民)、島村宜伸(自民)、古屋圭司(無所属)
参院
松下新平、亀井郁夫(国民)、柏村武昭(自民)、ありむら治子、中川正春(民主)、吉村剛太郎(自民)、岡田直樹(自民)、水落敏栄(自民)、西岡武夫(民主)、大江康弘(民主)、二ノ湯智(自民)、岩城光英(自民)、中川義雄(自民)、桜井新(自民)
司会:自由民主党衆議議員 萩生田光一
本日は平日の時間帯にも関わらず、またお足元の大変悪い中をこのようの大勢の皆さんにご参加を頂きまして、誠に有難うございます。ただいまより、皇室典範の拙速な改定に反対する緊急国民集会を開会致します。
本日司会の大役を仰せつかりましたのは、私大正昭和2代に渡る天皇皇后両陛下の御陵をお預かりをしております八王子選出の自由民主党衆議院議員萩生田光一でございます。どうぞよろしくお願い致します。本日の主催は超党派国会議員連盟の日本会議国会議員懇談会、誇りある国作りへ向けて国民運動を展開している日本会議、ならびに民間有識者による、皇室典範を考える会の3者の共催で開催をさせて頂きます。
昨年11月、皇室典範に関する有識者会議はわずか10ヶ月30時間の審議で、女系天皇の導入、継承順位の長子優先を柱とする皇室典範の改定を提案をしました。しかしながらこの方針は、125代2000年以上に渡って、男系によって維持されてきた、皇位継承の伝統を根本的に変えるものであり、女系天皇が一旦誕生してしまえば、取り返しのつかないことになるのではないかと考えております。
私達は万世一系の皇位継承の伝統を守るために、皇室典範の拙速な改定に反対し、本日の緊急集会を企画を致しました。それではまず始めに、主催者を代表して元最高裁長官の日本会議三好達会長より、ご挨拶を申し上げます。三好会長よろしくお願い致します。
三好達氏(元最高裁長官)
日本会議会長の三好でございます。主催者側の一員として一言ご挨拶を申し上げます。本日は足元も悪く、寒い日であるにも関わらず、このように多数の方にお集まり頂きました、この問題に関する、皆さんの関心の高さが、如実に反映されたものと思っており、私どももまた、皆さんとともに、戦っていく決意を新たにしております。どうぞよろしくお願い申しあげます。
ただいまの司会者からのお話にありましたように、一年にも満たず、時間にすれば30時間にも満たない審議によって、2000年に渡って継承されてきた、皇位継承のあり方を変更すべきものとの報告書が提出されました。あまりにも拙速であります。総理は1/20の施政方針演説で有識者会議の報告書に沿って、皇室典範を改正する、その案を国会に提出すると、明言していますが、私達はこれに強く反対するものであります。
有識者会議の審議は拙速のそしりを免れないものでありますが、私としてそれ以上に問題と致したいのは、この皇位継承のあり方を審議するにあたっての、有識者会議なるものの姿勢であります。座長である吉川弘之氏は審議に当たっての姿勢をどのようにしているでありましょうか。皆さんすでにご承知と思いますが、「歴史は我々が作っていく」と言い放ちました。また「論議に歴史観、国家観は入れさせない」と主張したと伝えられています。更には、三笠宮寛仁殿下のお書きになられた随想について、感想を求められたときには、どうということはない、と述べたのであります。私達はこのような姿勢を何たる不遜か、何たる思い上がりか、と強く批判してまいりました。
しかし私は単に不遜、思い上がりとの批判にとどめておけるものではないと考えております。よく考えてみると、有識者会議のこのような姿勢の背後には、甚だしく重大かつ危険な思想が、我国の皇位継承の問題を考えるにあたって、絶対に排除しなければならない、絶対に排除して望まなければならない姿勢が、その背後にあると思われます。私は有識者会議の背後にある姿勢には、革命思想と共通思想があると危惧するのであります。「歴史観、国家観は入れさせない」、ということはこれまでの2000年に渡って連綿と続いてきた日本という国家の歴史、国家の連続性を考慮しない、それを否定し断ち切るということであります。また「歴史は我々が作っていく」というのもこれまでのあり方を断ち切り、連続性を否定し、新しい歴史を開くというのであって、これまた連続性の否定であります。このように連続性を断ち切るということは、これは革命思想と共通する、国家の連続性を断ち切るのが革命でありますから、連続性を断ち切るというのは、まさに革命思想と共通する思想なのであります。このような革命思想と共通する思想、日本という国の連続性を断ち切る思想があったという、そのような姿勢で審議したからこそ、あのような提言となったと考えるのであります。単に有識者会議は不遜、思い上がり、不見識などと批判すれば済まされる問題ではないのです。
有識者会議は、皇位継承の問題を審議するにあたり、国家の連続性を排除した上で何を原点としたのでありましょうか。それは日本国憲法でありましょう。報告書の提言は、日本国憲法を原点として、これからの皇位継承のあり方を提言したと思われます。憲法7条には天皇は日本国の象徴である。第2条に皇位は世襲のもので、国会で議決した皇室典範の定めるところによりこれを継承する。この2点をふまえて、日本という国の歴史も伝統も考慮に入れず提言したのであります。まず憲法は世襲とだけ定めていて、どのような世襲とするかまでは定めていない。世襲でありさえすれば、すなわち血縁さえつながっていれば、皇室典範でどのようにでも決めることができると考えたのではないでしょうか。また日本国憲法によれば天皇は象徴で、象徴以上の存在ではあられないといいうことを出発点としたのではありますまいか。象徴以上の存在ではあられない、まことに不遜な言い方であり、このような発言は慎まなければならないのでありますが、これは著名な学者が堂々と記述しているところであります。時間の関係詳細の申し述べることはできませんが、日本国憲法が施行されて間もないころ、当時東大教授であった著名な学者、学会を代表するような人、名前を申し上げれば誰でも知っている学者であります。その学者が、天皇制という書物をだしていますが、その中で新憲法では単に象徴としての地位を有するだけである。単に象徴としての地位を有するだけ、単にだけ!と書いているのであります。更に象徴であるということはあまり重要ではない、むしろ天皇が主権者でも元首でも無くなったことに重要な意味がある、このように書いてあります。
この学者の言うように、単なる象徴という考え方に立てば、天皇陛下の存在なり、皇位継承なりの問題を国家自体の根幹にかかわる問題とは考えない、ということになります。国家の本質的要素に関わる問題とは考えない、ということになるのであります。今一人の学者が、説いたことについて申し述べましたが、同じようなことを説く学者は今日に至るまで、大勢おりますし、このような考え方が、広く流布されてしまっていることも否定できません。歴史も伝統も無視、皇位継承のあり方を変えてしまえ、という提言を出すに至ったのは、陛下は単に象徴に過ぎない、日本という国家にとって本質的要素ではなく、単なる象徴である、はなはだ軽んじた考えから出発したからこそ、そのような考え方から出発した審議であったからこそ、であるといわざるを得ないのであります。
私達はそのように考えておりません。皇位継承の問題は日本という国家の根幹に関わる問題であります。それは成文の憲法、紙に字で書いた憲法の無い時代から、2000年の歴史や伝統のもとに国のあり方として確立、今日に至っているのであります。その意味では、成文憲法以前のもの、文章として書く憲法以前のもの、特に占領下において、占領国によって原案が作られ、押し付けられた憲法以前のものと考えております。まして世襲でありさえすれば、国会の法律で皇室典範を改めることによって、変えることができるとは決して考えてはおりません。
今、正念場を迎えております。一旦男系による継承を断ち切れば、これまでの継承のあり方は、永久に、未来永劫に失われてしまうのであります。このことに深く思いを致し成文憲法、紙に書かれた憲法を超えるところの、歴史と伝統を経て確立している不文の憲法、不文の定めを原点とした、慎重な上にも慎重な審議をしていかねばならず、そのためには健全な思慮深い世論をのりあえていかなければならないのであります。私どもはそれに向けて3/7には日本武道館において一万人の集会を企画しております。皆様の一層のご協力をお願い致します。ご挨拶とさせて頂きます。
司会
三好会長ありがとうございました。続きまして同じく主催者を代表して、超党派の国会議員により構成されています、日本会議国会議員懇談会平沼赳夫会長よりご挨拶を申し上げます。
平沼赳夫衆院議員
皆様方こんにちは。雨でお足元の悪い中こうして場外に溢れるほどのこの国の将来の行く末を案じている皆様方がこれだけの熱気を持ってご参集して頂きましたことを、主催者の一人としてまず冒頭心から御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
ご承知のように一昨年の師走のことでありました。新聞で突如内閣総理大臣の私的な諮問機関として、皇室典範の改正を議論する有識者会議のメンバーなるものが発表されたわけであります。十名から構成をされているメンバーでありました。私はまずそれを見て大変びっくりしたわけであります。確かに昨年の末に満40歳におなりになられた秋篠宮様以降、ご皇室には9名のお子様のご誕生がありますけれども男子のご誕生がない。したがって、皇位継承というのは大きな問題であるわけではありますけれども、しかし現行の皇室典範によっても皇位の第一継承者でいらっしゃる皇太子殿下は満45歳でいらっしゃいます。そして今申し上げた第二位でいらっしゃる秋篠宮殿下も40歳になったばかりでいらっしゃる。なんで急に私的な諮問機関の有識者会議ができたのか。
メンバーの中に長い間政府の中で官房副長官を勤めていた人も入っていました。私も閣僚をやらして頂いたときに色々交流がありましたから、私の事務所にその人に来てもらいました。そして約1時間、日本のご皇室の尊さを自分なりに彼に訴えさせて頂いた。おそらく年が明けて有識者会議が始まると、あなたがその会を切り盛りする約になるかもしれない。したがってずっと守り続けてきた、尊い伝統という、そして文化というものを大切に扱ってもらいたい。こういう趣旨のことを私は彼に伝えたわけであります。彼はよく胸に収めて、そして取り組んでいきたい、こう言ってくれました。しかし年が明けて1月から有識者会議が開かれました。月に1,2回というペースで、10名の委員の方々の中には最初の20分だけいて退席する人もいる。欠席をする人もいる。こいうような体たらくの中でわずか30時間で我国の伝統文化を全く変えてしまうような結論を出したわけです。
それもう私から長々と申し上げる必要はありませんけれども、ご承知のように女帝、女系天皇を容認する。そして更には第一子優先、そして更には側室制度が認められない現状において皇統を続けるために今ある宮家の内親王、女王こういった方々にも新たに皇族として、皇族としての立場をお与えする、こういうような結論を出したわけであります。
今、インターネットの時代でありまして、ありがたいことですけれども、私のところに全国から皇室典範改正の問題について、色々と国を憂える方々からのメールが届いてきています。色んな情報が入ってきています。先ほど三好会長もちょっとお触れになられました。座長をつとめておれらるロボット工学の専門家は、大学在籍中の4年間は共産党活動に大変いそしんでおられて、スターリンの信奉者であったと、こういうような情報も寄せられ、雑誌にもそのことが書かれているのが現状であります。副座長をつとめました園部という方も、最高裁判事等、皇室会議のメンバー等歴任をされた人でありますけれども我々が問題にしてきた偏向教科書、その教科書問題を象徴する家永裁判というのがありましたけれども、その裁判で家永さんに与するような立場をとった人が副座長であります。その他にも東大総長を歴任した学者がもう一人入っておりましたけれども、彼も学生運動をやった、言ってみれば反皇室の極めつけのような人達が事前の相談も何も無くて有識者として会議のメンバーになった。私ははじめから結論ありきで作られた有識者会議だったと思っております。
現実の問題を考えます。我国の歴史上八方十代の女帝の存在が歴史上認められている。称徳天皇、孝謙天皇は同一人物でいらして重祚(ちょうそ)された、こういうことで八方十代であります。色々な長い長い歴史ですけれども紆余曲折がありましたけれども、その都度ご皇室の関係者をはじめとする我々日本民族の先人は知恵を出し合って万世一系の男系を守ってきた、このことはまぎれもない事実でありまして、我々日本人はこのことをまず明記をしなければならないと私は思っているわけであります。過去女帝の方々がご存在になった。女帝を認めることにはやぶさかでない方はたくさんいらっしゃると思います。しかし第一子優先ということになって、そういうことはあってはなりませんけれども現実論として考えて、もし愛子様が天皇になられる。そして教養を身に付けるために海外に留学をされる。恋に落ちられる。青い目の男性と、そんなことはあってはなりませんけれども、ご結婚をなさってその間に生まれたお子様が第一子優先で天皇になられるということだって、有識者の人たちはそういうことも想定してあの結論を出したのか。そういうことは断じてあってはならないことだと思ってます。
改革、改革が言われています。しかし改革すべきことは躊躇無く改革すべきでありますけれども、反面守るべきことは断固命を懸けて守らなければならない。それがご苦労をして万世一系の皇統を守ってきて下さった、我々のご先祖に対する現代に生きる我々が示す最低の良心だと私は思っています。日本会議議員懇談会、超党派でありまして衆議院参議院242名の議員が参画をしております。すでに勉強会を5回、総会も3回開きまして、決議も2回させて頂いて内閣に届けているところであります。私は大切なご皇室の問題で国会が2つに割れてそしてぶざまな罵り合いのような形になることは断じてやってはならないと思っております。国会議員は良識を示して一致団結をして内閣が提出をしない、そういう事態を作ることが我々に課せられた一番大きな責務だと思っております。これを乗り越えて小泉総理があえてやろうということであれば、団結の力を源泉として国民の皆様方と共に正しい伝統文化を守り、この国柄を守っていくために私ども、一生懸命努力することを心からお誓いを申し上げ国民の皆様方の更なるご叱正とご協力をお願いを申し上げまして、私の挨拶に代えさせて頂きます。本日は誠にありがとうございました。
司会
平沼会長、力強いご挨拶ありがとうございました。ここで本日ご出席を頂いております国会議員の皆さんのご紹介を事務局よりさせて頂きます。
議員紹介
衆院
平沼赳夫(無所属)、下村博文(自民)、戸井田徹(自民)、江藤拓(無所属)、萩生田光一(自民)、中山泰秀(自民)、赤池誠章(自民)、松原仁(民主)、西村眞吾(無所属)、木原稔(自民)、鍵田忠兵衛(自民)、古川禎久(無所属)、松本洋平、稲田朋美(自民)、神風英男(民主)、小川友一(自民)、北村茂男(自民)、木原誠二(自民)、中井洽(民主)、鷲尾英一郎、牧義夫(民主)、亀井久興(国民)、島村宜伸(自民)、古屋圭司(無所属)
参院
松下新平、亀井郁夫(国民)、柏村武昭(自民)、ありむら治子、中川正春(民主)、吉村剛太郎(自民)、岡田直樹(自民)、水落敏栄(自民)、西岡武夫(民主)、大江康弘(民主)、二ノ湯智(自民)、岩城光英(自民)、中川義雄(自民)、桜井新(自民)
司会
それでは次に来賓の皆様にご提言を頂きたいと思います。まず始めに民間有識者による皆様で結成をされた「皇室典範を考える会」代表で日本の文化伝統を踏まえてこの問題に発言をなさっておられます、上智大学名誉教授の渡辺昇一先生にご提言を頂きたいと思います。よろしくお願い致します。
渡辺昇一(上智大学名誉教授)
有識者会議の提案によって皇室が継がれていきますと、半世紀後くらいにどうなるかということを想像してみますと、今の天皇陛下の後に皇太子殿下が天皇陛下になられてその次に愛子様が天皇陛下になるというのが今の改正に従えばそうなるわけです。そのときは伝統に従って愛子天皇がどう称されるか知りませんが、愛子様天皇がですね、伝統に従えば女帝は旦那さんがおりません。旦那さんといういいかたもおかしいんですが、女帝の配偶者というのは日本ではないからしょうがないです。それは古代に女帝であった方も未亡人であって中継ぎ、あるいは江戸時代の女帝なんかでも、一生、女帝になられた方はやはり中継ぎで結婚なさらない。だから天皇である間に男性を配偶者として持たれた方はいらっしゃらないわけです。
そうしますと愛子様がですね、4、50年後に即位なされまして、伝統にしたがって結婚なさられなければ日本の皇室はそれで終わりです。完全に終わりです。もし結婚なさるとすればどなたが手を挙げるでしょうか?皇太子殿下のお后を見つけるときにも大変苦労しました。いわんや天皇になった女性の配偶者になろうと手を挙げる日本人はそういるとは思われないのですね。おそらく一番手を挙げる可能性のある方は、これは私の想像ですが、コリア系の人だろうと思うのです。と申しますのはですね、李王家が日韓併合で日本の王室にじゅんじられました。そしてそのお子様は王大使、それからそのときにですねあまり知られませんけど、韓国の主要なる両班という貴族階級ですね、約80家が日本の華族として受け入れられて、大体は日本の苗字になっているからどこにいらっしゃるかあまり分からない。その中から手を挙げるんじゃないかなと私は思いますね。そうしますと韓国の無血占領になりますな、日本の。
ですから愛子様が天皇になるという自体はですね、皇統が完全にそこに消えるか、あるいは配偶者の問題が起こったときは、約1240年前にかつての道鏡、弓削の道鏡の問題が起こったのと同じなのです。弓削の道鏡の時は、称徳天皇が弓削の道鏡というお坊さんを大変愛寵されて、そしてこの方を天皇にしたいということがあったのです。それを和気清麻呂という人が止めたわけですね。命がけで止めました。そのときも宇佐八幡宮のご神託には皇胤といってますですね。ようするにね皇統というと間違えやすいんですよ。同じ血を引くとかね、間違えやすいんです。血じゃないんですよ、これは。これはね血といいますとね母系も父系も同じような感じになるんです。これは大阪の商人じゃないんですからね。婿養子どっから貰ってもいいなんていう、番頭を婿養子にしてもいいていう問題じゃないんですよ。
だから血統と言わないで下さい。皇室の場合は。種といって下さい、種。種と畑の問題なんですよ。種はですねどこに植えても稲は稲です。どこに植えたって稲ですよ。畑っていうのはですね、ここに稲を植えれば稲、ひえを植えればひえ、セイダカアワダチソウを植えればセイダカアワダチソウなんですよ。ですから皇室を救ったといわれる、救いました和気清麻呂が後に新しい天皇家に仕えます。すなわち舒明天皇のお子さんに天智天皇と天武天皇がいらしたわけでございますけれども、称徳天皇はこの天武天皇家への???(聞き取れない)なのです。ここで止めましてですね、弓削の道鏡で止めまして、天智天皇家に戻したわけです。そして天智天皇家からは桓武天皇が出られました。よろしいですか桓武天皇のおばあさんくらいになりますと、畑は半島から百済から奉られた女性なんです。百済から奉られた女性の方から生まれた方でも天皇になることは何とも思わなかった。種は神武天皇以来だからであります。そして桓武天皇ご自体の后の例を見ますと、やはり百済から3人くらい奉られているんですよ。だから后はどっから来たって構わない。畑は構わない。種は守らなければならない。だから皇室の血統などとは言わないで下さい。皇室の種です。どうもありがとうございました。
司会
渡辺先生ありがとうございました。続きまして女性の立場からご発言をなさっておられます、ノンフィクション作家工藤美代子先生にご提言を頂きたいと思います。工藤先生お願い致します。
工藤美代子(ノンフィクション作家)
ご紹介頂きました工藤でございます。私はノンフィクションを書いておりまして、それから半分は主婦をしております。ですから本来でしたらこのようなところでご皇室のことに関して発言するような立場にないことは自分で十分承知しております。それでもあえてこちらに伺いましたのは、私は日本人であります。日本人でありますために日本を愛しています。日本を愛していますから、今私のような微力なものでも声を上げなければ日本が大変な危機に立たされているのではないかという強い危機感を感じて、本日こちらの会場に伺わせて頂きました。
皆様今朝(2/1)の産経新聞に三笠宮寛仁殿下がご発言なさったのがのっておりましたのをお読みになった方たくさんおられると思います。もしまだお読みになっていらっしゃらない方がおられましたら是非、こちらの記事を読んで頂きたいと思うんですけど、おそらくですね、皇室の皆様のお気持ち、この寛仁殿下のお言葉に尽きているのではないかと私は思っております。
録音トラブルで中断
大まかにいうと、日本における皇室に役割、どのような貢献をされてきたのかを、関東大震災が起きたときの貞明(ていめい)皇后陛下の逸話を例に紹介された。
以下、講演内容
そして汽車でもって東京駅に着かれましたらば宮城(きゅうじょう)にもお帰りにならずに、すぐのその足で被災者の方達を慰問をして歩かれたわけです。そしてその年の暮れまで実に精力的に色々な病院とか、あるいは被災者の方々のいるところを慰問してあるかれたのが貞明(ていめい)皇后さまです。しかしそのときに、だんだん秋になって寒くなってくるもんですから、女官の方達が秋もののお洋服をご用意しましょうと言っても、貞明皇后様は、これだけ国民が苦しんでいるときに私は秋の服あるいは冬の服を着ようとは思いませんとおしゃって、ずうっと最後まで夏の白いブラウスでもって冬の12月までそのお姿で通してご慰問を続けられたということなんですね。
私はそれを知ったときに、それだけ強く国民と皇室というのは結びついているのだと。本当に国民と、日本の国民と苦楽を共にしてきたのが日本の皇室なわけですね。そして政府とか経済とか、経済状態とか政府とか色々なものがどうしてもカバーしきれない部分というのがあるわけなんですね、国民に。それは多分私は情緒の部分じゃないかと思うんですけれど、私達の情緒の部分をしっかりとカバーして捕まえて暖かく包んでくださっているのは日本の皇室じゃないかと思うんです。ですからこの日本の皇室がもしかしたら滅びるかもしれない、皇室なんてどうして必要なの、といわれるときが来るかもしれないような、今危険な状態にあることを何としてでも避けたいと思います。
そのためにはどんなことでも、どこに行ってどんなお話でもしたいと私は思っております。そしてですね最後に2つ、2点私は今日申し上げたいことがございます。1つはですね三笠宮殿下もおしゃっていることですが、5年くらいまってもいいのではないか。私は20年と思っております。20年とは思っておりますけど、とりあえず5年は待ってもらいたい。それは何故かといいますと、皇太子、皇太子殿下がどのようこれからになられるか、これは全く私ども分かりません。事態は非常に流動的だと思っております。第二子がお生まれになる可能性は私はあると思っております。そのためにも、またそれから秋篠宮ご夫妻にもまた第三子がお恵まれになることも考えられます。
そうしたことを考えたときに、今あわててですね、愛子様を天皇にと決める必要は全く無いと思っております。これはもうまだ学齢期にも達しない、本当に幼い一人の女性ですね愛子様という一人の女性の人生を何故今決めなければいけないのか。そんな必要は全く無いと思います。ですからもうそらは本当になんとか避けたいということが1つ。それからもう1つはですね、最後になりますが宮家の再興を考える必要があるのではないかと思います。これは非常に良く知られている話ですけれども、終戦後、臣籍降下ということがあって直宮家を除いて他の宮家が全て平民になられたときに、昭和天皇様が確か侍官の方を通しておっしゃられたお言葉だと思いますけれど、今は平民になってもらうけれど、いつか宮家としてまた戻ってきてもらうときがあるかもしれない。そのときはよろしく頼むというお言葉を昭和天皇様が確かにおしゃっているというふうに聞いております。なれば占領軍のマッカーサーというたまたま非常にエゴの強い男の人が一人で決めた宮家を無くすということをですね、何故ですね、まるで呪縛のように今も守っていかなければいけないのか。私には全くその理由が分かりません。ですから私達はそろそろもうマッカーサーの呪縛から解き放たれていいときが来ていると思っております。そしてその一番最初の例として何としてでも宮家を再興してもらいたい。そしてとにかく天皇家がずうっとこれから先もいく久しく続いて欲しいという気持ちを込めてですね、何としてでも今日の会、そしてこれから先も私はあきらめず、そして焦らずに声をずうっと上げ続けていきたいと思っております。皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。
司会
前農林水産大臣でいらしゃり、また日本会議の会長もおつとめになった経験もございます島村宜伸衆議院議員よりご挨拶を頂きたいと思います。
島村宜伸 自民党衆院議員
ご紹介を頂きました島村宜伸でございます。ただいまご紹介の中にもありましたように私は初代の日本会議国会議員懇談会の会長をつとめさせて頂きました。しかし発足当初よりさらに充実をし志のある国会議員が党派を超えて皆でいわば国のあり方を認め将来に向かって色々な提言をしていく、その後活動に敬意を表しているところであります。
今日もまた皇室典範の拙速な改定、改定と言えるのかどうか分かりませんが、に反対する緊急集会にこのように大勢の皆さんにご参加頂き、今お話がありましたように場外にたくさんの方が見えている、日本人の意識というのは健全なんだなあ、そんな気持ちを持たして頂きました。ただついでに欲を言いますと、この中にもっともっと若い年代の人も加わって頂けるともっといい、それが将来の日本の安全につながるんだと、こんなことも感じたところであります。
いずれに致しましても125代に渡る我国の天皇制、男系の天皇によってきちっと守られ、なるほど八代だけいわば女性の天皇が存在しましたけれども、うち四名の方はいわば未亡人になられてからの天皇ご即位と、他の四名の方はお一人の方はご在位中に崩御され後のお三方は短期間、いわばショートリリーフをなさってで、後でしっかりした方が生まれたときにお譲りになって、しかもご結婚をなさらなかった。どなたも子供さんを生まれなかった。そういう歴史が全てを示しますように、この125代世界に誇るただ一国だけのこの歴史と伝統、この天皇制はまさに男系の中に築かれてきているわけで、これは世界中からも高い評価を受けていることは事実でございます。
ただ残念ながら天皇制の存在の中に私達が生きている社会の安寧、こういうことについて人間健康に慣れると同じように全て当たり前と認められてしまって、例えば戦後の混乱、色んなことがありました。そんな際にあの昭和天皇の示された、いわば色々なご姿勢がどれだけこの国を救い、どれだけ国際社会における日本のイメージを高めたか、やはりそういうことにもこの際思いを致す必要があるのだと思いますし、昭和天皇のご存在があまりに大きかったので、私はたまたま実は、現今上陛下とは同期生でよく存じ上げておりますが、その後は大変だなあと内心こころを痛めておりましたが、全くいわば昭和天皇の後を受け継がれて微動だもしない。事実、今上陛下も随分いい意味でお変わりになられました。努力努力の毎日でありますな。
こういういわば象徴天皇が日本に存するということが、どれだけこの国の大きな背骨になっているか、このことをこういう機会に改めて思いを致す必要があるんだろうと、こんなふうに思うところであります。ところで愛子様が後の天皇になられると、大方の見方は今そういうところにあるわけでございますが、これはまだ確定したことではありません。しかしいずれに致しましても、男系のいわば天皇ということ中に、現在は女性天皇の候補者しかおられない。現実は現実としていちおうそれも我々は判断の中に入れておく必要があるんだろうと思いますが、将来に向かっての天皇制ってものがいかにあるべきかということについて、まず皆さんと私、おそらく同じ考えであると思うのは、一昨年でしたか、有識者会議というのが組織されて10名のメンバーを見たときであります。
はてこの人達が本当に天皇制の是非を論ずるだけの能力と資格をお持ちなのだろうか。このたくさんおられる人材豊富な日本国のあらゆる社会を見渡したときに、この10名の方しか有識者といえる人がいないのだろうか。もっと他に確かな人達がたくさんいるはずだ。そういう人たちから広く意見を求めるならばともかく、とりあえずこの方達があるいは、まあ言葉は適当でないかもしれないけれども、たたき台を作るんだろうか、こんなふうにも思ったところであります。しかしながらわずか、まあ先ほど来ご指摘があるように10ヶ月そこそこ30時間余の短い時間で考えられたことを今度は国の行き方の中に取り入れる。これが構造改革の一環だという小泉さんの発言を聞くとこれは穏やかでない。そんなことを認めたら我々国会議員の存在の意味が無くなってしまう。そして我々は政治家としての責任を果たしているとは言えなくなってしまう。やはりここは小泉さんにもきちんと反省を願って、もう一度いわば色々な話し合いをする中に、時間をかけて、できるだけ急ぐ必要はあるけれど、皆さんが納得できる結論に導かなきゃいけない。
そこで私はあえて小泉さんの弁護をしますが、あの人は非常に言葉少ないし頑固で強行でやるとなるとキチガイじみて見えるけれど、きちんと真正面からものを言ったら意外とものを冷静に聞くし、私は辞めたときも都合50分近く話しをしたんですが、かなり耳に逆らうことを言ったんですけども、一切お互い怒鳴りあったわけじゃないんです。しかも私の農政を支持してくれて私の在任中には一言も指示らしい指示がなくて、一切を任せてくれたし、私が辞めるときにもこのまま続けて欲しいということを言われた。何故止めたのか。私は少なくとも皆さんがようやく景気が回復してほっとしている庶民の心を考えたら今解散どころじゃないでしょう。いちかばちかの危険を冒すよりは、参議院が否決して衆議院がうんぬんはおかしいから、筋が通らないから、だから解散を避けるべきだ。しかしどうしてもおやりになるとするならば、政治家の良心に照らして自分の判断をした人、この人達をいわば裸で叩き出すような行為があってはならない。まあ、そういうことで意見が分かれたわけですよ。ただ分かれたって聞く耳持たなかったわけではない。だったら次に賛成してくれるならば私は結構って、まあ大の大人が一生懸命考えて苦渋の選択をした人をわずか短期間で選挙が怖いから賛成だということは私には責任もてない。
まあここで意見が分かれて私はあえて辞表を出しました。で辞表を出した心は2つある。1つはその考え方が私には理解ができない。今1つは小泉さんに対してきちんとものの言える政治家が何人か必要なんじゃないか。私は小泉さんとは色々長く一緒に行動したことがあります。ご記憶がありましょう。政治改革のときですよ。この改革は間違いだということを小泉さんも、もう本当にそれこそ金切り声を上げて反対運動起こして、2人でいわば守旧派の大将格にされたことがある。私その話し合いのときにも言ったんです。あなたはそのときにおっしゃったことを忘れちゃってはいませんか、小選挙区制は何故まずいかということの1つに、特定の人間に金と権力が集まって独裁政治に陥るからいけないんだ、こんないい話をしたのにあなたご自分でそれをやってるんじゃないか、ということをあえて私は申し上げた。決してあの人は激したりしませんでした。
今あの方がですね、この有識会議の決めたことを、これをいわば改革の一環だというんで強行しようというのならば、それこそ独裁政治ですよ。こんなね、皇室典範を変えるようなことをね、郵政民営化などと一緒に混同したんじゃとてもじゃないけど納得できない。全国規模でこういうことは許されないことだということを皆さんと一緒に小泉さんに冷静にお考え頂いて、改めていただく必要がある。
そして日本の国には有識者はいくらでもいる。そういう方達の意見をこの際大いに出して頂く、そしてこれを国民の声として小泉さんにもう一度冷静に聞いて頂く必要がある。今日の総会はその第一歩ではないんじゃないでしょうか。なるほど今まで昨年の暮れからもう6回に及ぶ会議を持たれて、随分ご苦労頂いていることをよく承知致しております。しかしそれでもですね、残念ながら国会議員の中でも、いわば男系とか女系とかそういうようなことが良く分からない。男性でも女性でもいいんじゃないかと思ってる人がゴロゴロいる。そして日本の歴史や文化について聞けばほとんどの方が知らない、っていう人が現実じゃないんでしょうか。今ようやくそのことに気が付き目覚めて、これじゃいけないと言い出した人が非常に多い。ましては一般の国民の方々はそれぞれ日常の仕事に追われているんですから、そういう方たちのことを我々は良く慮ってですね、皆さんによく事実を知ってもらう努力をして、そして国民の声を広く喚起して、日本の天皇制に対する考え方、皇室典範のあり方についてのご意見を集約して、それでいよいよ改定といえる改革にする、これが我々に課せられた責務ではないかと、こんなふうに思っています。
私は自分が閣僚を辞任するときにも小泉さんに言いました。自由民主党は今年は立党50年、昨年のことです。いわばこの50年の中には色んな意見があり、右も左も色んな意見があったけれども、適時適切、時宜に照らして一番正しいと思う政治選択をして日本の今日を築いてきた。その歴史と伝統をよく振り返って、お互いの意見というものに謙虚に耳を傾けることが今こそ大事。小選挙区制というのはともすれば特定の権力者に話が傾きやすい。皆自由な国会議員としての活動を認めるためにも党議拘束などやたらにかけてですね、ましてやこの皇室典範に自由な判断を許さないなどというのはもっての他でありますから、これらについては皆さんとともに広く国民の声を起こしてですね、正しい方向に結果の収束をみるようにこれから努力することを結びにお誓いをして、私の提言を終わります。ありがとうございました。
司会
島村先生ありがとうございました。続きまして民主党の衆議院議員でいらしゃいます中井洽先生よりお話を頂きたいと思います。
中井洽 民主党衆院議員
皆さんこんにちは、ご紹介頂きました民主党の衆議院議員の中井洽でございます。西岡大先輩もおられますが、ご氏名でありますので、私の方から皆さん方に連帯のご挨拶を申し上げたいと思います。本当にお立ちを頂きながら一時間以上に渡って、熱気溢れる会合を催して頂き、私ども叱咤ご激励を頂いておりますこと、こころから感謝を申し上げます。
平沼さん、島村先生、お話あったとおりであります。私は違う観点からいくつか申し上げお訴えにかえさせて頂きたいと思います。私は羽田内閣の時に、丁度いまから10年前になりますが、短い期間でありますが法務大臣を務めさせて頂きました。私の前の法務大臣はここにお見えのながの先生で、法務大臣に登用されて法務省に行きますと、一番先に法務大臣の仕事は何かということから、講義を受けるわけでございます。大半の皆さんは、法務大臣に一番の仕事は死刑、これの実行だとお思いだろうと。大半の方はそういわれます。違うんです。皇室典範、皇室の皇統符をお預かりする、これが法務大臣の第一の仕事でございます。したがって桜田門、皇居に一番近いところに法務省がおかれているのであります。見せてくれと、こういったら、部屋までは案内してくれましたけれども、中身は絶対見せられません、こう言われました。先生間違いないですね?皇室典範第の26条にはですね、この皇族の身分が変更あるときには皇統符に登録する、こう書いてあります。この書かれた皇統符を宮内庁と法務省で、お守りを申し上げて、誰もみることができません。
今回の小泉さんの皇室典範改正というこの発想や、やり方は、この法務省にある皇統符をひそかに持ち出して、改竄をしようとするやりかただと。男女平等と思わす中で、こんな姑息でこんな卑劣なやり方で、皇室典範を変えて二千数百年の日本の伝統を壊してもらうこと、私は断固反対であります。私の党の代表もどういう加減か、何にも知らない間にテレビで賛成してもいいなんていうことを言ったもんでありますから、党内大騒ぎでありまして、この頃はようやくまともになってまいりまして、慎重にということを言うようになりまして、まあまあ良かったと思っておりますが、こういう状況を放っておくわけにはいきませんので、ここにお見えの西岡さんや、松原さんや、大江さんと私ども一緒になりまして、3日の日に民主党もこのやり方は拙速だと、慎重に慎重にやるべきだ、こういう議員連盟を発足致しました。
私共は、いやしくも天皇家のことで、皇室のことで、政争を行うつもりはさらさらありません。皆さんと一緒に日本のよき伝統を守って、次の世も次の世も、日本人が穏やかに、安心して、皇室を中心として、生活ができる、そういう国であって欲しい。ただただこれを請い願うばかりであります。私達の代で伝統を途絶えてはなりません、民主党もこれから勉強って遅いじゃないかと言われますが、猛烈な勢いで皆さんと一緒に頑張ってまいります。
ただ、小泉さんというのは島村先生もいわれましたように、変人であります、奇人であります、言えば言うほど意固地になるというところもあるわけでございます。しかし本当にこのことで、強行される、突破をされるというのなら、まあ私は郵政民営化、民主党の反対の責任者でやりまして、今回負けた責任を感じておりますが、胸にバッチが付いておりますのは、拉致議連のマークでありますが、平沼さんの下で、会長代理を致しております。何でも中井、平沼でございまして、昨今は。小泉さんが、こんなことを強行されるというなら、超党派で退陣を求めていく、そこまで含めて頑張ってまいります。
どうぞ皆さん国民の中で本当に皇室を尊敬する、そして今の天皇家を愛して、そしてそのままずっと愛子様で続いていいじゃないか、男女平等でいいじゃないか、実に単純な議論が、まだまだあるわけでございます。これらを一つ一つ皆で説得していこうではありませんか。私は今63であります。小泉さんと一緒で独身であります。小泉さんはいざしらず、わたくしはいつでも子供作る能力あります。まこと失礼だけれども、皇太子殿下も弟君もおいくつですか?こんなばかなこというのは、もう次のお子さんお作りになれないでしょうという、大変失礼なことをいっているということではありませんか。どうぞそういった意味で、もっともっと時間をかけて、日本人の英知を集めて、十年二十年先に決めて行こうではありませんか。以上ご提案を申し上げてご挨拶といたします。ありがとうございました。
司会者
中井先生ありがとうございました。閣僚経験のあるベテランの先生方お二人からご意見を頂戴しました。マスコミに言わせますと小泉チルドレンは右向け右とこういうふうに言われておりますけれども、決してそんなことございません。自民党の一年生議員、すでに勉強会を繰り返しやっているということでございまして、今日は代表して自由民主党の赤池誠章衆議院議員よりご挨拶を頂きたいと思います。
赤池誠章 自民党衆院議員
ただいま、ご紹介に預かりました、自由民主党選挙区は山梨1区でございます、赤池誠章です。ご案内のとおり、昨年島村先生が、体を張って止められた郵政民営化解散、その解散によりまして83名の自民党一年生議員が生み出されました。その中で私どもは83会という一年生の会を作りまして、活動をしているわけでございます。
その中で、昨年12月、そして1月、勉強会を、皇室典範勉強会ということで、私が呼びかけ人となりまして、開催をさせて頂きました。賛成派、反対派それぞれ、講師を招く中で勉強を積み重ねさせて頂きました。1月は政府の内閣官房の皇室典範準備室の参事官から政府の具体的な皇室典範の改正について、有識者会議のあり方を含めて、じっくりと話を聞かせて頂きました。その内容に関しましては、政府は今国会をもって具体的に皇室典範改正案というものを、提出すると、そのことは本気であると、いうことは担当参事官からの話で、十二分に理解をさせて頂きました。単に、歴史上なかったさまざまな有識者会議の報告書だけでは、無い部分として、政府は十分な伝統を踏まえ、満を持して本国会に、皇室典範改正案を提出するということが、勉強会を通じて、よく分かったわけでございます。その中で、83人大勢は、全ての一年生議員に聞いたわけではございませんが、勉強会を通じて私が感じているのは、大勢は慎重論でございます。そして明日も3回目の勉強会をさせて頂きます。
明日は旧宮家の、すでに小学館から著書が出されております、旧宮家竹田家の恒泰さまに起こしを頂き、勉強会も開催する予定となっております。その勉強会を通じて、一年生で議論をして具体的にこれからどのような形で行動していったら良いかそんなことも明日、話し合う予定となっております。その答えに関しましては、すでに中心メンバーでさまざまな議論がなされておりますが、今国会に関しては、慎重審議と、いうことで意見集約がほぼそのような流れで行くという風に感じております。私どもは、小泉改革を支持するものでございます。不易流行という言葉があるとおり、変えなければいけないものは断固変えていく、しかし、変えなければいけないところは変えますが、守るべきところも断固守る、これが小泉改革の真骨頂だということを今国会で証明するために、この場でお誓いを申し上げまして、一年生議員からの決意表明とさせて頂きます。ありがとうございます。
司会
赤池先生ありがとうございました。もうひと方ご発言を頂きたいと思います。先ほど中井先生からお話がありましたように、民主党は近々この議員グループを作っての勉強会、スタートされるということでございます。その中心人物として、ご活躍頂いております、松原仁衆議院議員よりご挨拶をお願い致します。
松原仁 民主党衆院議員
ただいまご紹介頂きました、松原仁でございます。今司会の萩生田さんからお話がありましたが、民主党も先ほどの中井先生のご発言にあったように、2/3には呼びかけ人が29名でこの勉強会を始めると、講師は櫻井よし子さんということでありますが、どちらにしても私達も党内においてこういった極めて国の骨格に属する問題に関しては、極めて慎重な思いを持つ同志が多いということを冒頭皆様に申し上げたいと思っております。
そうした中において、私が申し上げたいことは、日本におけるこの天皇制、私は実は松下政経塾というところの卒業生でありますが、松下さんも日本におけるまさに特筆すべき大きな大きな事柄であると、ということを常にいっていたわけでありますが、このことはですね、西洋諸国における君主制と、基本的に異なるということを我々は認識をしていかなければならないと思っております。つまりそれは、権威とそして心の思いの延長線上のものであるのか、それが権力の延長線上であるかこういった違いに帰するところがあるわけであります。
私は先ほど渡辺先生からお話がありました、男系であると、これは天皇制のまさにその一つの要素というか、その成立するための条件というか、まさにそれは属性というふうな表現をとってもいいかもしれません。まさにこの男系であるということが、天皇制の原理にあるのであって、男系を否定してしまって、天皇制を存続するというのは詭弁であり、それは天皇制をやめて君主制になるということに他ならないわけであります。私はその意味においてこの日本においての君主制ではない、この持つ意味の違いを小泉さん分かってるのかなぁ、それはその辺に関しての理解が、今ひとつないのではないかという風に大変残念に思う次第であります。
そういった意味において、私達は男系を守るということが、この伝統の一番中心的な部分に属するんだという認識のもとに、これから戦っていきたいと思っております。日本の国は、戦後まさに日本に対しての精神を、精神の牙を抜こうとする、連合国によって、さまざまな精神的な強さを失ってまいりました。今回のこの皇室典範の改定によって、とどめをさされるようなことがあってはいけない、というふうに私は思っておりますし、逆に私達の国は、今日もそこに、西村眞吾先生もおられますが、拉致の問題を中心にして、我々はようやく、日本のまさに精神的な強さを取り戻そう、そういった動きが密かに始まっている中で、今回の皇室典範を、まさに改悪しようとする動きにストップをかけることによって、我々の日本人のもつ精神の強さをもう一回発見する、そういった方向に向かって、戦ってまいりたいと思います。共に戦うことをお誓い申し上げまして、私の訴えと致します。ありがとうございました。
司会
ありがとうございました。まだまだ多くの国会のみなさんからご発言を頂きたいところでございますが、時間の関係もありますので、先へ進めさせて頂きます。先ほどの紹介の後にご登壇を頂きました、先生をご紹介致します。衆議院議員古屋圭司先生です。それではここで、本日のこの緊急集会の総意を集会の決議として、発表をさせて頂きたいと思います。決議文の朗読は自民党衆議院議員戸井田徹先生にお願い致します。
戸井田徹 自民党衆院議員
決議
昨年十一月、「皇室典範に関する有識者会議」は、歴史上初めて女系による皇位継承を導入し、継承順位については長子を優先する皇室典範の改定を提案した。しかし以下の通り、この報告書に基づいてただちに法改正に踏み切ることは、まことに拙速であると言わざるを得ない。
一、この報告書は、百二十五代、二千年以上の歴史を有する皇位継承の変更について、僅か十ヶ月三十時間の審議という短時間で結論を出している。
二、吉川座長は、「国家観・歴史観の問題は扱わない。」と明言して審議を進めたが、皇位継承の問題は歴史そのものである。歴史を検討しないまま、一度女系による皇位継承を導入すれば、とりかえしのつかないこととなる。
三、皇室には親王(男のお子様)が誕生する可能性があるにもかかわらず、この報告は、親王を皇位継承順位の第一位から排除する長子優先という方針を打ち出しており、早計である。
四、国民の十分な議論も理解も得ないまま強引に法改定に踏み切れば、国民世論を分裂させ、「日本国および国民統合の象徴」としての天皇の地位すら揺るがしかねない懸念がある。
以下のような問題点に対して、皇族方の中や各界有識者にも強い懸念が表明されているが、小泉首相は一月二十日の施政方針演説で、「有識者会議」の報告書に沿った改定案を今国会に提出すると明言している。我々は、万世一系の皇統を守り抜くため、政府による拙速な皇室典範改定案の国会上程に反対するとともに、皇室の歴史と伝統を踏まえた慎重な検討を強く求める。そのため我々は、国会議員、有識者、民間団体が結束して世論を喚起し、来る三月七日には日本武道館において一万人大会を開催し、男系による皇位の継承を護持する国民運動をさらに大きく推進する。
右、決議する。
平成十八年二月一日
日本会議国会議員懇談会 会長 平沼赳夫
日本会議 会長 三好達
皇室典範を考える会 代表 渡部昇一
司会
ただいま戸井田先生より朗読を頂きました、決議案の文を本大会の決議文として、決定してよろしいでしょうか?ありがとうございます。それでは皆さんの総意をもって、ただいまの朗読を決議文として決定させて頂きます。それでは三好達 日本会議会長より、自由民主党代表下村博文先生、民主党中井先生それぞれにお渡しをしたいと思いますので、中央にお進み下さい。もう一度各党の代表の皆さんに盛大な拍手をお願い致します。それでは熱気に溢れました本集会も、お開きの時間が近づいてまいりました。今日はなんと受付を1200名を越える皆さんが、お通り頂いて、会場に入れずに小雨の中ホールでこの話を聞いて頂いた方もいらっしゃいます。衆参国会議員は107名のご本人がこの会場においで頂きました。心から感謝を申し上げたいと思います。それでは閉会にあたりまして、結びの言葉を自由民主党衆議院議員下村博文先生よりお願いをしたいと思います。
下村博文 自民党衆院議員
今日は皆さんありがとうございます。これだけ大勢の皆様方がお集まり頂き、また力強い挨拶をして頂く中で、同時に今日は3団体の合同集会でございますが、民間の方々が今日のこの会に目標を定めて国会議員全ての人を対象に、皇室典範の拙速な国会提出に反対し、慎重審議を求める署名を集めて頂きました。この署名の結果をご報告いたします。衆議院が122人、そして参議院が51人、合計173人の署名を頂きました。政党では自民党が135人、民主党が24人、国民新党5人、無所属10人、合計173人、これは更に増えるかと思いますが、大変大きな数字であるというふうに思います。
この会が始まる直前に、私のところに官房副長官から電話がかかってまいりまして、この署名が何人集まったのかという、問い合わせでありました。173人自民党だけで、135人、これは大変重い数字だということをよくよく官邸では考えて頂きたい。こういうふうに話を致しました。そして今日おこしになっている皆様方、これで皇室典範改正は、国会では拙速に審議されなくなるのではないか、あるいは女系天皇を認めるような法案改正にはならないのではないか、安心されている方がいらっしゃるかもしれませんが、なかなか現実問題としては厳しいと思っています。
それは先ほど、平沼会長からもお話ございましたが、日本会議国会議員懇談会、私はその事務局長をさせて頂いておりますが、242人の議連の国会議員が、参加しているのにも関わらず、この皇室典範に慎重な審議については、173人の署名しか集まっていない、ともいえるわけであります。そして、これは共産党や民主党は、あっ共産党や社民党は失礼しました、政党間違ったらとんでもないことになる。共産党や社民党はWelcome、是非やってくれと、いうことであります。
不遜ではありますが、愛子様が、例えば鈴木さんという方と結婚され、その最初にお生まれになった方が男の子でも女の子でも、次の天皇陛下になられる、その方が今度は田中さんという方と結婚される、そして最初に生まれた方が、例えば下村さんという方と結婚される。これを2代か3代続けていけば、もう国民と同じだと、日本国、日本国民の統合の象徴としての天皇の意味も無いじゃないかと、まさに天皇制の解体、共和制になる、憲法も改正しよう。あのマッカーサーでさえ、日本の混乱を引き込むような天皇制を廃してはならない、決めたことを事実上今回の皇室典範の改正は、してしまうということになるわけであります。
そしてこれはおそらく、民主党でも明日議連ができるということですから、大きな運動とはなって来るでしょうけれども、しかし半分くらいの方はやはり賛成するかもしれない。自民党は、小泉総理が1/20の所信表明演説の中で、明確に、有識者会議の結論にのっとって改正案を今国会に提出するということを表明されております。ですから半分以上の人が賛成する可能性はあります。そうするとこれは、今国会で有識者会議の結論にのっとった、改正案が通ってしまうということになり兼ねないわけであります。
そういう意味で私は、安部官房長官が自民党においては、党議拘束をかける、党議拘束をかけるといったのは、全員が賛成をしてくれという意味では私はないと思っております。自民党においては、政府案が出た全てについては党議拘束をかけ、賛成してますが、しかし党議拘束をかける前に、まず関係部会で全会一致になり、政策審議会で全会一致となり、最後の総務会で全会一致で、ならなければ党議拘束はかけられません。ですから当然、これは内閣部会、党からまずは全会一致で賛成だということが、無い限りは国会に出すことは自民党では認めないということで、唯一の例外は郵政民営化法案が、多数決で通ったということで、あります。
しかし先の選挙でわが党は、やはり小泉総理に対しては、そういう遠慮なり、あるいはそういう配慮なり、あるいは必要以上の遠慮がある中で、これは今回の皇室典範改正に、明確に反対するということは、一年生議員はじめ、自民党の国会議員にとっても簡単なことではありません。今日はそういう意味では、100人を超える国会議員が来ているということは、わが党にとっても大変勇気のいることであります。是非それをご理解いただきたいと思います。
しかしなんとしても今回の法案は国会には絶対提出してはならない、提出されればこれは政局になります、このようなことで小泉内閣を打倒するような、政局にしてはならない。皇室に対しても失礼である。郵政民営化法案とは全く重みが違う法案であって、このようなことを政局の具にしては我々はならないというふうに我々は思っております。だからこそ国会に出さない前に、政府に断念をしてもらう。そのためには、いかに多くの国民が、そして多くに国会議員が、今回の皇室典範改正は反対だということを、政府側に良く理解をしてもらうということが必要ですし、今日頂いたこの決議は早速総理官邸に、届けます。今日の熱気も伝えます。そして我々もそれぞれの政党の、三役に対してこの決議書を渡して、そして自民党においては昨日、中川政調会長、安部官房長官、細田国対委員長等とお願いをして、法案を提出する前に、政府が自民党に対して法案を提出する前に、まず党として有識者会議の結論について、事務方から報告してもらえるよう、そしてその中できちっとした、議論、勉強会をし、結果的に事務方を通して、これは自民党において、とても今回の法案は賛同できない、ということを理解してもらい、そして政府側が国会に対してこの法案を出すことを断念するような運動をしていかなければならないというふうに思っております。
都議会自民党でも、近々の都議会の中で、決議書を出す。是非地方議会においても、この改悪につながる、そして我国の国柄そのものを損ねてしまう、今回の改正案について、是非反対の決議を全国津々浦々、それぞれの議会で、挙げていただきたいと思いますし、また今日いらっしゃる皆様方には、是非地元の国会議員に対して、ことの重大さをきちっとお伝え頂き、そして慎重に議論しながら、この国の行く末について我々のこの時代の我々自体が責任を持たなければいけない、ということを自覚する活動を是非していただきたいというふうに思います。我々国会議員も、しっかりと皆様方と共に、心を一つにして運動しながら、我国の素晴らしい、皇室を中心とする、日本の誇りある、伝統文化、歴史をこれからも続けて行く事ができるような、改悪にならない皇室典範の改正を、そして運動を更に広げて行くことを、お誓いを申し上げまして、結びとさせて頂きます。ありがとうございました。
司会
下村先生、そして皆さん、本当に有難うございました。繰り返しになりますが、この皇室典範は、政策ではなくて、国体の問題、国柄の問題だというふうに思います。口角泡を飛ばして議会で議論をし、議場で万が一にも多数決で決するような内容でないことは私達良識ある国会議員、皆承知しております。ですからこそ、この皇室典範を政争の具にしてはいけない。このことを私達、良識ある日本会議の国会議員は肝に命じてこれから行動してまいりたいと思います。そのためには、今日お見えの会場の中に、都道府県議会、市町村議会の皆さんもいらっしゃいます。一日も早く国民の皆さんの声として、内閣に対して、今下村事務局長からお話がありましたように、意見書を3月議会冒頭で決議をして、国会へ挙げて頂きますように、ご協力お願い申し上げたい、またお集まり頂いた多くの皆さん方には、お地元の国会議員に、この問題の重要性、是非ともご説明を頂き、ご納得を頂くようご努力を頂くことを心からお願い申し上げまして、本日の緊急総会、閉会とさせて頂きます。お足元の悪い中本当にありがとうございました。
「靖国発言」非難声明を一斉報道=反日感情高まりも−中国各紙
【北京24日時事】24日付の中国共産党機関紙・人民日報など有力各紙は、呉儀副首相の訪日中に日本の指導者が靖国神社参拝に関して相次いで発言したことを非難する孔泉外務省報道局長の声明を一斉に報道した。各紙とも新華社電を報じ、大衆紙・北京青年報などは一面に掲載した。
ただ、呉副首相が小泉純一郎首相との会談を突然キャンセルして帰国したことには触れていない。靖国参拝に関する発言への政府見解が公式報道として一斉に報じられたことで、反日感情が高まる恐れがある。(時事通信) - 5月24日13時2分昨日の投稿のコメントでmegumiyazakiさんに
以上の記事の情報をいただきました。
1週間以上「小泉靖国行くぞ宣言」を人民にひた隠しにしていた
中国ですが破れかぶれの賭けに出てきたのでしょうか(笑)
洗脳した人民に報告した以上、反応が楽しみになってきました。
中国人民は反日暴動を起こすのか?
中国指導部は反日暴動を容認するのか?
どう動いても中国にとっては自ら墓穴を掘るだけですが(笑)
今週末の動きに注目ですね。
とりあえずこの件は様子見ということで(笑)
今回はアメリカの原爆論争について取り上げたいと思います。
今からちょうど10年前にアメリカのスミソニアン博物館で
原爆についての展示をめぐってすったもんだがあったことを
記憶の片隅にとどめておいでの方もいらっしゃると思います。
その動きと背景などを当時、NHKスペシャルが放送しました。
その番組を本にしたものを、以下に紹介します。
アメリカの中の原爆論争〜戦後50年スミソニアン展示の波紋〜編集執筆 NHKスペシャル取材班 発行 ダイヤモンド社(1996年)
序文より一部を抜粋
あと数ヶ月で戦後50周年を迎えようとしていた1994年秋。
広島・長崎も「被爆50年」という節目の年を迎えていた。
被爆者がおよそ10人に1人になった広島でも、半世紀訴え続けてきた
核兵器廃絶の願いを、今後いかに次世代に伝えていくかが、
被爆50年の最大のテーマであった。
そんな時、「原爆投下は正しかった」と考えているアメリカ人が
数多くいるという、われわれ日本人に冷水を浴びせるような
ニュースが飛び込んできたのである。
アメリカの国立スミソニアン航空宇宙博物館が、1995年6月に、
第二次世界大戦終結50年を記念して、世界で初めて原爆を投下した
B29爆撃機「エノラ・ゲイ号」を展示する計画を立てていた。
その計画は、広島の平和記念資料館や長崎の国際文化会館資料館
から借りた被爆資料の展示もあわせて行う、という内容だった。
スミソニアン博物館の担当者が来日し、広島市や長崎市から
被爆遺品などの資料を借りる交渉もすでに行われていた。
どの資料を貸し出すのか、具体的な打ち合わせも進んでいた。
ところがその矢先の1994年10月、展示する被爆遺品や被爆の実態を
伝える資料の点数を減らすというスミソニアン博物館の発表が
あったのである。被爆の実態を伝えようとする展示に対して
アメリカ国内での批判が高まり、上院・下院議員も巻き込んでの
論争に発展しているというのが、その理由だった。
「原爆投下は正しかった」 そんな、日本では信じられないような
主張がアメリカで沸き起こったのである。アメリカ国内の
こうした動きに対して、広島・長崎の被爆者の人たちはもちろん、
日本のテレビ・新聞などマスメディアの報道もアメリカ批判の
色合いをにじませていた。しかし、スミソニアン博物館の展示計画を
批判するアメリカ国内の動きは、その後いっそう広がりを見せた。
アメリカは戦後50年をそうした動きの中で迎えることになった。
明けて1995年1月30日。 スミソニアン博物館の展示計画から、
被爆遺品などの展示が削除されることが発表された。以上が事の推移です。
次に本の全体像を実にうまく要約してある、
ディレクター右田千代氏の巻末のあとがきより一部を抜粋
〜前略〜
原爆投下が身体や心に残した傷痕の深さ、長年にわたって被爆者を
苦しめてきた放射能の影響、50年経った今も実現しない
核兵器廃絶を願う思いの強さ。
そして戦争がもたらした傷に人々が今も苦しみ、戦争により人々の
人生が根本から変えられてしまうということ、「戦争とは何か」を、
私は広島の人々から教えられた。
被爆者の方たちが訴える「ヒロシマの心」すなわち「核兵器の廃絶」
「再び被爆者をつくらない」という願いを世界に伝えることこそが、
われわれ広島で報道の仕事をする者の義務であると思うようになった。
「原爆投下は正しかった」とアメリカの人々の多くが考えていることを
知った時、まず頭をかすめたのは、「なぜ大量殺戮をもたらした
原爆を正しいものと考えるのか」という、素朴な疑問だった。
広島の人々が半世紀もの長い間、精神的・身体的に苦しみながら、
生涯をかけて訴えてきたことは、無駄だったのだろうか。
「ヒロシマの心」を、世界中の人々に通じるメッセージだと
思ってきたのは間違いだったのだろうか。 今回の番組に
取り組んだのは、これらの問いに対する答えを探すためだった。
広島からアメリカに取材に出かけるまでは、アメリカの退役軍人
たちの声を批判的に聞いていた。どうしたら彼らに「ヒロシマの心」
をわからせることができるか、という思いもあった。
アメリカの人々が原爆投下を正当化する理由を尋ねるために、
全米退役軍人協会の幹部たち四人を訪れた時、
いきなり私は彼らから質問をぶつけられた。
「あなたは原爆投下をなぜ正しいと思わないのか?」
「原爆投下は正しかった」という考え方を持つのは
なぜなのかを問うためにアメリカを訪れたはずが、
逆に「なぜ正しいと思わないのか」と問いただされてしまったのだ。
四人の元アメリカ軍人たちにじっと見つめられ、私の答えを促す
その真剣な様子に、何か答えを出さないことには、自分の
聞きたいことにも答えてもらえないということだけはわかった。
戦争が早く終わった理由は、一つではないと思う。原爆投下も
その一つの理由だったかもしれない。しかし、
そのもたらしたものは、戦争を終わらせたということ以上に、
悲劇的なものだったと日本人は思っている。だから、日本人は
原爆投下を肯定するようなことを言われると賛成できない。
という意味のことを伝えた。
しかし彼らは「広島への原爆投下が戦争を終わらせたのは
事実ではないのか」と心底納得できないようだった。
彼らだけでなくアメリカの退役軍人の多くは、原爆投下を
正当化する理由として、仲間を戦争で失ったり
自ら死の恐怖にさらされた体験を語った。
四面楚歌のなかで、私は、広島にいてアメリカ人の意見に
憤慨していた時とは違う気持ちを味わっていた。
彼らの真剣な表情を目のあたりにし、それぞれの戦争体験を
知ると、一般市民ではなかった軍人の彼らもまた、
戦争で受けた傷が深いことにあらためて気づかされた。
さらに取材を進める過程で、日本が戦争をやめようとしなかった
ことや日本軍のアジア諸国での戦争責任を非難する声を次々耳にし、
しかも、それが原爆投下を正当化する考えと直結していることを知った。
「日本軍が戦争を始め、それを最後まで終わらせようと
しなかったのではないか?」
「原爆が投下されず戦争が長引いていたら、
もっと犠牲者が出ていたのではないか?」
「日本は戦争中に、原爆投下よりもひどいことを
アジアでやったではないか?」
「被爆者だけが、戦争の犠牲者か?」
アメリカの人々を取材するなかで次々に投げかけられる問いに、
私は明確に答えることができなかった。日本人であるのに、
私は原爆投下の意味についてどれほど考えてきたのだろうか?
と自らを振り返らざるを得なかった。原爆投下に感謝する彼らの
姿に「戦争」の姿を広島と違う面から見せられたような気がした。
原爆投下が多くの市民を標的にしたこと、原爆が放射能によって
長年にわたって人間に不安を与え、自然を破壊し続ける兵器で
あることなどの点で、原爆投下の罪深さを否定することはできない。
原爆投下が戦争を終わらせたとしても、
被爆者が体験した苦しみは変わらない。
しかし、アメリカ人が見せてくれた「戦争」の姿もまた、事実であろう。
このジレンマのなかで、あらためて見えてきたのは
「戦争とはいかに重大な過ちであるか」ということであった。
戦争は敵味方に関係なく、人々の心に癒しがたいものを残す。
原爆の恐ろしさを半世紀訴え続けてきた人々と、
「原爆投下は正しかった」と断言する人々。
原爆投下の是非をめぐる認識は違うが、
「戦争によって自分の人生や家族を奪われたくない」
という思いでは、同じだったに違いない。
広島側から見ていた「戦争」と、今回アメリカの人々と出会うことで
初めて見えてきた「戦争」。この二つはまったく違う表情を
しているようで、二つの表情をあわせることで初めて本当の姿が
現れたように感じた。そこに番組を作る動機となった最初の疑問、
「なぜ原爆投下を正しいと考えるのか」への答えがあった。
〜中略〜
どうすれば「ヒロシマの心」核兵器廃絶、再び被爆者を出さない
という願いを世界の人々と共有できるのか、確かな答えはまだない。
しかし、今回の原爆論争の取材を通して、日米の原爆観の違いや
戦争が残した共通の傷痕を知り、戦争を知らない世代の私も
戦争を知る世代と同じ問題を始めて共有できたような気がする。
「戦争とは何か」についてもう一つの答えを教えてくれた、
アメリカ人たち。命の尊さ、毅然として生きることの素晴らしさを
教えてくれ、さらに今回の原爆論争を通じて
「希望をもち続けること」を教えてくれた被爆者たち、
双方に心から感謝を申し上げたい。
広島の平和記念公園に燃える「平和の灯」は、地球上から核兵器が
なくなった時に消される。その日が来るよう、希望をもって
自分にできることをしていきたいと思う。50年前の原爆投下の
是非をめぐる論争を経て、今私たちは新たな出発点にいる。私がこの本を読んでまず感じたのは、アメリカは偉いなということ。
スミソニアンの展示は結局圧力に屈してしまいましたが、
その裏の見えない部分で着実に原爆投下の是非について再検証が
進んでおり、先進的な教師は原爆についての討議を生徒にさせて
自分の考えを押し付けるようなことは絶対にしません。
いろんな点で日本よりもはるかに問題意識をもって自国の
過去の行いを検証する姿は立派です。それも戦勝国なのに。
もっと驚いたのが、再検証の動きは原爆投下の直後から
あったということ。敵国日本に対して原爆を落とすことは
どんなに非人道的であっても感情的に肯定して当然なのに、
批判勢力があり、その勢力が存在できることはすごいことです。
それにひきかえ、当時の日本は社会全体に
異論を許す空気があったでしょうか?
また当時の日本が原子爆弾をもし持っていたらどうでしょうか。
軍部は使いまくって、当時の日本の民衆は喝采するだけ
だったのではないでしょうか。
人それぞれに違った感慨や感想を抱かれるでしょう。
いろいろ考えさせられるいい本です。
ある意味でアメリカにとって原爆投下の是非とは
日本においての先の戦争の再評価問題、靖国問題と
過去の自分を見つめなおすという点で非常に共通性があります。
中韓のいちゃもんはまったく筋違いで無視するに限りますが、
日本は日本で感情に任せた過去の歴史の肯定や賛美なども
歴史の教訓を未来に生かすためにはしてはいけないことです。
日本を真に未来に誇れる国にしたいのならば、
アメリカに負けないぐらい、自ら真摯に自国の過去の行いを
その時に取り得たいろいろな選択肢を検証しつつ、
改めて振りかえるべきではないでしょうか。
それにしても本の活字を移すのがこんなに大変とは(笑)
次の機会にはOCRでも使おうか・・・(←実は使ったことがない)